親知らずは「第三大臼歯」とも呼ばれ、10代後半から20代前半にかけて生えてくる奥歯です。しかし、生え方には個人差があり、まっすぐ正常に生える場合もあれば、斜めに傾いていたり、歯ぐきの中に埋もれたままのこともあります。そのため、すべての親知らずが必ずしも抜歯の対象になるとは限りません。しかし、放置すると周囲の歯に悪影響を及ぼすリスクもあるため、親知らずの種類とその特徴を理解しておくことが重要です。今回は、親知らずの生え方の種類や、抜く・抜かないを判断するポイント、抜かない場合に気をつけたい注意点について解説します。
1. 親知らずの生え方の種類とは
親知らずの生え方は大きく分けて4つのタイプに分類できます。それぞれのタイプによって、将来的に起こり得るトラブルの内容や抜歯の必要性が異なります。
①まっすぐ正常に生えている
周囲の歯や骨と問題なく調和しており、むし歯や炎症のリスクが低い状態です。この場合、すぐに抜く必要はなく、日常のケアを丁寧に行いながら経過を観察することが一般的です。
②斜めに傾いて生えている
隣接する歯（第二大臼歯）を圧迫しやすく、歯と歯の間に汚れが溜まりやすくなります。そのため、むし歯や歯ぐきの炎症を引き起こす可能性があり、抜歯を検討するケースが多く見られます。
③骨の中に埋まったまま横向きに生えている（水平埋伏）
顎の骨の中に埋まったまま、横向きに生えている状態です。完全に露出していないことも多く、痛みがなくても周囲に炎症を起こすリスクがあります。特に、骨の中で周囲に悪影響を及ぼしている場合は、抜歯を提案されることもあります。
④一部だけ歯ぐきから出ている
「半埋伏」とも呼ばれ、歯の一部だけが見えている状態です。歯ぐきの中で細菌が繁殖しやすく、繰り返し腫れたり痛みを伴うことがあります。この場合、感染のリスクを避けるために、抜歯を検討することがあります。
親知らずの状態によっては早めの処置が必要になることもあるため、定期的な検診とレントゲンによる確認が欠かせません。
2. 親知らずを抜くか抜かないかの判断ポイント
親知らずの抜歯は、すべてのケースにおいて必要というわけではありません。次のようなポイントを基準に、歯医者が総合的に判断します。
①隣の歯への影響があるか
親知らずが斜めや横向きに生えている場合、手前の歯を押して噛み合わせを乱したり、歯並びに影響を与える可能性があります。その場合は、影響が広がる前に抜歯が検討されることもあります。
②炎症や痛みが繰り返されていないか
親知らずの周囲が腫れたり、痛みが繰り返し起きている場合は、慢性的な炎症が進行している可能性があるため、抜歯を検討することがあります。
③歯みがきがしっかりできるか
親知らずは奥に位置するため、歯ブラシが届きにくく、プラークが溜まりやすい場所です。清掃が難しい状態が続くと、むし歯や歯周病のリスクが高まる可能性があります。
④矯正治療やインプラント治療への影響
歯列矯正を予定している場合や、インプラント治療を行う際には、親知らずが治療の妨げとなることがあります。治療計画に合わせて、事前に抜歯を提案されることもあります。
⑤年齢や全身の健康状態
抜歯は外科処置となるため、年齢や健康状態によっても判断が分かれます。若いうちであれば回復も早いため、将来的なリスクを考慮し、歯医者の判断で早めに処置が検討されることもあります。
これらの判断ポイントをもとに、歯医者と相談しながら最適な対応を選ぶことが大切です。
3.親知らずを抜かない場合の注意点
親知らずを抜かずに経過観察を選ぶ場合も、将来的なトラブルを防ぐための配慮が欠かせません。以下の点に注意して、日常生活の中でしっかりと対策を取りましょう。
①定期的な検診を受ける
親知らずは見た目だけでは状態が分かりにくいため、年に1回程度の歯科検診でレントゲン撮影を含めた確認を行い、異常の有無を確認することが大切です。
②むし歯や歯周病のリスクを管理する
清掃がしづらい位置にある親知らずは、手前の歯との間に汚れが溜まりやすく、むし歯や歯周病のリスクが高くなります。毎日の丁寧なケアが必要です。
③親知らずの周囲が腫れたり痛んだ場合の対応
周囲が腫れる・痛む症状を繰り返す場合、「智歯周囲炎（親知らずの周囲が炎症を起こす状態）」が起きている可能性があります。症状が繰り返されるようであれば、抜歯を検討することもあります。
④妊娠や体調不良時のリスクを把握する
妊娠中や体調が悪いときに親知らずが悪化すると、薬の使用や処置が制限されることがあります。将来的なリスクを考慮し、早めに相談することが望ましいでしょう。
⑤歯みがきやセルフケアの徹底
奥にある親知らずは磨き残しが出やすいため、歯ブラシだけでなく歯間ブラシやフロスを使って、隅々まで清掃することが重要です。
抜かない判断をした場合も、継続的なケアと検診を行うことで、口内環境を安定させやすくなります。
4.横浜市戸塚区・戸塚駅周辺の歯医者 高松歯科医院の親知らず治療
横浜市戸塚区で親知らずの抜歯や診断を受けられる歯医者をお探しの方へ。戸塚周辺から通いやすい「高松歯科医院」では、親知らずの状態を丁寧に確認し、症状や将来的なリスクをふまえた治療方針をご提案しています。口腔外科の経験を積んだ歯科医師が、処置に伴う負担をできるだけ軽減できるよう配慮しながら対応いたします。
＜高松歯科医院の親知らず治療の特長＞
①口腔外科での勤務経験がある歯科医師が担当
横浜市戸塚区の高松歯科医院の親知らず治療は、総合病院の歯科口腔外科での勤務経験を持つ歯科医師が担当します。これまでに多数の親知らず抜歯を行ってきた経験をもとに、状態に応じた適切な処置を提供いたします。
②切開は必要最小限に負担を抑える工夫
横浜市戸塚区の高松歯科医院では、親知らずの抜歯にあたって切開範囲をできるだけ小さく抑えるよう配慮しています。処置による出血や腫れ、痛みなどの負担を軽減できるよう努めており、治療後も落ち着いて過ごしていただけるようサポートしています。
③痛みに配慮した表面麻酔や刺入点マッサージ
親知らず抜歯に対する不安を少しでも減らせるよう、麻酔注射の前には表面麻酔を行い、注射する部位にはマッサージを加えるなど、刺激を感じにくくするための工夫を取り入れています。また、麻酔薬を体温に近い状態に温めて使用することで、薬液注入時の不快感をやわらげるよう努めています。
④正確に把握するためのCTによる立体的な診断
親知らずの位置や根の形、神経との距離などを確認する際には、歯科用CTを活用しています。親知らずの画像を立体的に確認できることで、埋伏歯や複雑な形態の歯に対しても、事前に治療の見通しを立てやすくなります。
横浜市戸塚区の歯医者「高松歯科医院」では、親知らずの抜歯だけでなく、「本当に抜く必要があるのか」「今は様子を見るべきか」といった判断に役立つ情報提供にも力を入れています。まずはご相談だけでも構いません。お口の状態を知ることからはじめてみませんか？
▼高松歯科医院の親知らずについて
https://takamatsu-shika.com/wisdom-tooth/
まとめ
親知らずは生え方や状態によって、抜歯が必要かどうかが大きく異なります。まっすぐ生えていて他の歯に悪影響がなければ抜かずに様子を見ることもありますが、斜めや横向きに生えている場合は、むし歯や炎症のリスクを考慮し、抜歯を検討することが大切です。抜かない選択をする場合でも、日頃のケアや定期的な検診は欠かせません。
親知らずに関して気になる症状がある方は、横浜市戸塚区の歯医者「高松歯科医院」までご相談ください。
監修：高松歯科医院
院長 高松 朋矢
【所属学会】
日本口腔外科学会
国際歯周内科学研究会 評議委員
日本小児矯正研究会
ドライマウス研究会
抗加齢歯科医学研究会
歯の寿命を延ばす会
【取得資格】
社団法人 日本口腔外科学会 口腔外科認定医
厚生労働省 歯科医師臨床研修指導歯科医
ドライマウス研究会 認定医
日本歯科医学振興機構 臨床歯科麻酔管理指導医